• Sercos技術:

    実績、容易、高速、オープン

Sercos IとII

序文

デジタルドライブは、数値制御装置用に機器の費用を最小化し、かつ精度と速度の最大化を提案します。高性能デジタルインターフェースでは、こうした利点を活用することが求められます。製品選択、最適なコンフィグレーション、標準化で利点をもたらし、調達と運用保守を簡素化するために、デジタルドライブインターフェースは、異なるアプリケーションの機能要件を満たさなければならないだけでなく、異なるメーカーの多様なコントローラーとドライブ間で、オープンで標準化された、問題のない動作が確保されなければなりません。デジタルドライブインターフェースのSercos (シリアルリアルタイム通信システム) はこれらのすべての要件を満たし、製品マシンのドライブのために、1995年に国際規格 (IEC 61491) として、1998年にはヨーロッパ規格 (EN 61491) として承認されました。1990年代の初め以来、デジタルドライブインターフェースは、要求の厳しいモーションコントロールアプリケーションに対応する、世界的に認められたリアルタイムネットワーク標準となってきました。Sercos技術の特に興味深い点は、そのリアルタイム能力、性能、ノイズへの耐性などの突出した技術特性、そして製品とサプライヤーが非常に変化に富んでいることにあります。

Sercosの起源

Sercosは、1980年代半ばに、VDW (Verein Deutscher Werkzeugmaschinenfabriken e.V. ドイツ工作機械工業会)とZVEI (Zentralverband Elektrotechnik- und Elektroindustrie e. V. ドイツ産業電気工業会) の産業界の協会により、デジタルドライブインターフェースとして開発されました。Sercosの第1世代は2、4Mbit/sの伝送速度をサポートし、主に高度なマシンツールアプリケーションで利用されました。その後、Sercosは世界中で着実に認められ、あらゆる種類の多様なサーボドライブアプリケーションで使用されるようになりました。1995年、SercosはIEC規格61491として確立されました。1999年、第2世代のSercosが発表されました。伝送速度は8、16 Mbit/s に増加し、非同期データ伝送用サービスチャンネルが拡張されました。この新しい技術はSERCON816 ASICを使用し2001年から利用可能で、同時に第1世代との下位互換性も維持されました。Sercosは、タイムスロットメカニズムと高効率のプロトコルを利用した非衝突伝送に、絶対的にディタミニスティックな時間挙動を合わせた、優れた性能を提供します。例:最大40軸を、1msサイクルタイム、1µs未満のジッタで正確に同期可能です。光ファイバーにより、ノイズへの耐性と伝送のロバスト性が最大化されます。

その技術特性と幅広い使用から、Sercosは多くの分野で、なかでも多軸の高度に動的なサーボアプリケーションで業界標準となりました。ハードウェアベースの同期は、印刷機、包装機、多軸の工作機械などにある電子ライン軸のような難度の高いモーションアプリケーションを確実に実装するために不可欠な条件です。

Sercosは、当初は専用ドライブインターフェースとして設計されましたが、その後汎用的に適用できるモーションコントロールインターフェースに変化しました。Sercosはリアルタイム通信システムを定義するだけでなく、コントロールとドライブの相互運用のためベンダー中立セマンティックを提供する500以上の標準化パラメーターも規定します。ドライブのほかに、I/Oステーションもバスに接続され、そのためほとんどのスタンドアロンのマシンにはフィールドバスを追加する必要がありません。

世界中の50社以上のコントロールメーカーと30社以上のドライブメーカーが、Sercos互換デバイスを提供しています。これまでに、最大300万以上のSercosノードが世界の500を超えるアプリケーションで使用されています。Sercos International (SI) ユーザーグループ は、ドイツのシュトゥットガルトに近いシューセンに本部を置き、世界で60社以上のメンバー企業が入会し、北米とアジア (中国の北京、日本の東京) に事務所があります。